2012年6月3日日曜日

ご来場ありがとうございました。


祖師谷大蔵Cafe MURIWUI。初めてのお店はいつもすごく緊張するのに、しかもソロなのに、リラックスしていました。風がよく通り抜けるお店。控え目なPAの音量と、自分の音が後ろから聴こえるかんじが好きです。

初めて聴くKOOMOONの音楽。どこの国かはわからないけどエキゾチック&吸い込まれるようなグルーブ感、変拍子っぽいキメとか、シンプルでシュールな歌詞とか、かっこよかっです。

ライブ前の談笑中、KOOMOONコーラスのひろたさんがシャボン玉液を持っていらっしゃるのを発見!お願いして、私の曲「シャボン」でシャボン玉を飛ばしてもらいました。夢ひとつかないました。

セットリスト:
窓の外は雨
Clock
Le papillon -ちょうちょう-
ハバネラ(with KOOMOONてっぺいさん)
2匹のクジラ(with イトウマキさん)
blue song(with イトウマキさん)
filled with you
シャボン(シャボン玉 by ひろたさん&つるつるさん)

メルシーボクカムサハムニダ。
ありがとうございました。

2012年4月1日日曜日

カモメはカモメ



3年ほどまえに短期留学していたイギリス南部の港町プリマスにもカモメがいて、海の近くだけでなく街中のショッピングモールとかにも鳩のようにいて、ゴミの日にはカラスのように朝ゴミを漁る。大きさは山下公園にいるカモメよりふたまわりくらい大きく、顔がこわい。帰国して山下公園のカモメを見たとき、なんとやさしく愛らしいことか、と思ったものである。

が、今年2月のすごく寒い日、そのプリマスで見たこわい顔のカモメを山下公園で見つけたのである。7~8羽くらいが氷川丸の鎖の上を陣取っていて、かわいい顔カモメはこわくて近寄れない、ように見えた。それからしばらくして3月初め、氷川丸の鎖の上はびっしりとかわいい顔カモメ。その中に一羽だけこわい顔が。そして先週、ついに鎖の上はオールかわいい顔カモメになっていた。周りを見渡しても、もうこわい顔のカモメはいない。

こわい顔カモメよ、どこから来てどこへ行ったのか。
毎年、冬になると来ているの?

あれはいつだったか菊地成孔さんがNHKスタジオパークに出演されていたとき、好きな言葉は何ですかと聞かれて、中島みゆきさんの「かもめはかもめ」という言葉が好きです、と瞬時に答えておられた。かもめはかもめ、わたしはわたし。

菊池成孔さんは20年ほど前に上智大学で観た。私も出演したジャズ研の定期演奏会の最後に、OBとしてゲスト出演されたのである。天才というのはこういう人のことをいうんだなと、生まれて初めて思った。かなり間近に、同じ空間にいるのに、浮き上がっているような、磁場だか空気の濃度だかが違う空間でサックスを吹いたりしゃべったりしているように見えた。磁場だか空気の濃度だかが違う分、苦しそうなかんじにも、見えた。


2012年3月26日月曜日

詞とメロディ

新しい曲。リズムとサウンドのだいたいのイメージがあって、それから歌詞がするっとできたので、そしてそこそこ気に入ったので、今回は詞先でできるかなと思ったのだけど。どんなメロディーをのせても自分の歌じゃないみたいな気がする。やっぱり、詞と曲いっしょじゃないとできないみたい。曲だけ先に作るのも、どこにでもあるメロディとコード進行のような気がしてしまい、最後まで完成させたことがない。インストは、ピアノパブで弾く曲、逗子マリーナでの結婚式のテーマ曲、のこぎりのイトウマキさんと演奏するための曲・・・など、目的があるとできるみたい。

ピアノをポロポロやりながらしばらくフンフンやっていたら一部分だけ歌詞ののったメロディが出てきて、それを気に入ったので、ああまた最初からやり直しだなとあきらめて作業はそこでやめて、夜は映画を見た。

これまたOLマリコさんが紹介していた、観たいなとずっと思っていてようやく借りてきた秋津温泉。そしたら、映画の最初の方でおさげの岡田茉莉子さんが、その一部分の歌詞を、ひとつのセリフの中で何度も何度も発せられたので、ほほーと思った。

秋津温泉、主演の岡田茉莉子さんの着物がどれもとても素敵だった。くねっとしなを作るような動きとか表情とか、あとメイクも?オードリーヘップバーンみたい、とも思った。雄大な山々を背景に、着物姿に赤いマフラー巻いた茉莉子さんが丘を駆け降りるシーン。朱色がかったフランスの赤は永遠の憧れだけど、日本の赤もきれいだな。


2012年3月17日土曜日

亀の手



横須賀に住む友人夫婦とランチ。いいお天気。午前中の京急線の下り。ふわっとした雲がゆっくり流れていくのを窓から眺めながら、だんだん海に近づいていく。好きな人たちに会いに行く。


佐島の和食屋さん「海辺」はやっぱり前に一度行ったことがあるところだった。刺身定食1,500円。あまりの美味しさに、佐島に住みたくなる。でも、この辺りは葉山と同じで電車の便が悪く、車がないとどうにもならないらしい。まず免許、か。

お店を出て、近くの魚屋さんまでぶらぶら歩いていく。マンボウが地べたにゴロンと横になっていて驚く。カメノテを見つけた。1パック400円。カメノテに似た貝をリスボンで食べた。観光客向けっぽい店にふらっと入ってガイドブックで見たその貝を注文し、お会計のとき値段を見てあわてた。何かの間違いではないですか?とお店の人に聞いたけどやっぱりその値段だった。美味しかったけど。400円のカメノテはリスボンで食べた貝よりもかなり小ぶり。身の大きさは10分の1くらい。

海に行くと、特に晴れた日の海に行くと、体中の血管がゆるむような、肩まで風呂に浸かってはーーーっとため息が出るようなかんじになる。山下公園の海でもそうなるんだけど。やっぱり、砂浜のある海や漁港は「はーーーっ」成分の濃度が違う。もういっそのこと住んでしまえばいいのに、と思う。まず免許、か。

関口牧場というところに連れて行ってもらって、牛や羊や山羊を見ながら、匂いを嗅ぎながら、ソフトクリームを食べた。いろいろと濃厚なミルク味。そのあと、野菜の直売所にも連れていってもらって、そこではポワロを発見!1本100円。大コーフン。

カメノテは塩ゆでして、友人夫婦からお土産でもらった生ワカメもさっとゆでてホタテのお刺身や新玉ねぎとサラダにして、いただきました。茶色っぽい生ワカメは、熱湯に入れるとたちまち緑色に変わった。きれいな緑色。どちらも、磯の香り強く、海というか海水浴を食べているみたいな味。

ホワイトデー特需でいつもよりさらに帰りの遅いトガゼンにゆでたてのカメノテを食べさせたくて、待っていたんだけど、あと少しというところで寝てしまった。冷蔵庫のカメノテをすでに塩ゆでされたものと思い、そのまま生で食べたそうだ。ちゃんと一個ずつ身をはがしてマリネにして。ワカメも生のままを切って食べたそうだ。朝になってそのことを聞き、なんで起こしてくれなかったのかと逆切れ。しばらくひとりで怒っていた。トガゼンのおなかは大丈夫だった。


2012年3月13日火曜日

長屋門珈琲



私の故郷山口県萩市にある喫茶店「長屋門珈琲」でライブをやったときの写真を、

田邊るみさん(2/18の日記に登場するRちゃんです)が送ってくれました。
「まだまだいいのたくさんある」そうです。楽しみです。 

この日るみちゃんは、映像作家のご主人といっしょにホンカクテキ機材をもって
撮影に来てくれたのでした。 
ええっとあれはいつだったっけ、とパソコンの中を調べて見たら、2007年。
また長屋門珈琲でライブできたらいいなあと思いながら、
もう5年も経ってしまった。

帰省したときには必ず立ち寄る長屋門珈琲、
ここのコーヒーは世界一美味しいと思います。
生まれ育った町の水や空気の作用も大いにあるのだろうと思います。 

コーヒー一筋のマスターは、ボッサ51時代にお世話になったこともある
沼田元気さんの従兄さんです。
(お世話になっていたときはそのつながりを知らず、後になって知り驚いた。) 

長屋門珈琲カフェ・ティカル、萩市へお越しの際はぜひお立ち寄りください。


photo by 田邊るみさん

2012年3月4日日曜日

木琴!



石川町のバナナレコードで見たことないブロッサム・ディアリーのレコードを発見。LP名盤コレクション・オン・ヴァーヴ パート3「ブロッサム・ディアリー/ブロードウェイ・ヒット・ソングス」。1,680円也。

ピアノを弾かないブロッサム・ディアリー、ミュージカルの曲、オーケストラもの、テキトーなかんじのジャケ・・・などなどから、もしかしたらがっかりするかもなと思いながら聴いたのだけど、すごくよかった。
コケティッシュで洗練されたブロッサムの歌とピアノをそのまま拡大したようなオーケストラアレンジ。ピッコロ、バスクラリネット、それから、ヴィブラフォンの替わりのように登場するマリンバ!が、くすっと笑ってしまうような素敵さ。「ワインの試飲はしたことないの」とか「it's too good for the average man」とか変わった歌詞がブロッサムの声で聴こえてくるのも新鮮で楽しい。

昨日は3月3日なのでちらし寿司を作った。娘はおらんのじゃが。食べ物の行事にはできるだけ参加したい。音楽を聴く方に集中しながら上の空で作ったので、できたものは上の空な味。椎茸味濃くなっちゃったから人参は味薄めにして、錦糸卵しょっぱくなったから寿司飯の塩控えて・・・とやっていたら最後にそれらしいものは出来て、でもなんかぼやっとした味。

バナナレコードでアナログレコードを買うと、ビニールカバーを余分にくれるのだけど、あれはなぜだろう?使い方がわからない。レコードはすでに2枚くらいのしっかりしたビニールカバーで覆われているのに。だから、余分なカバーは要らないんだけど、アナログなんてめったに買わないからそのことを忘れていて、「お付けしますか?」と聞かれるとつい「はい」と答えてしまう。


2012年2月27日月曜日

ご来場ありがとうございました!



梅ヶ丘Crazy Catsでのライブ、お天気イマイチで寒い中いらしてくださり、

ありがとうございました。

写真は、今回はお客さんで来てくれたSpumoniの千田さんに頂きました金平糖です。
お、かわいい~ありがとう!と危うく普通に頂くところでしたが、おっとっと。
それは洒落者の千田さんの洒落なのでした。ふふ。
(1月19日の日記をご参照ください。)

日本で唯一の金平糖専門店、京都の「緑寿庵清水」のものだそうです。
やさしい色で、ツノが丸くて形が全部違っていて、か、かわいい。
黄色いのはほんのりした生姜味。青いのはガリガリくんみたいなソーダ味。
どちらも自然な甘みで贅沢な味です。

今回のライブ、今までほとんどやったことのないソロ、
そして10年以上ぶりにステージでピアノを弾くということもあり、
いつもよりもたくさん練習しました。
鍵盤楽器と向き合ったのはほんとうに久しぶり。
出来ることだけやればいいやと開き直ってしまえば、
小さい頃からやっていた分、ピアノはギターよりもずっと近しい楽器です。
空振りするとかの運動能力的不安は少ないんだなということがわかったし、
これからはもっと仲良くなれそうな気がします。

アンプから出る音でギターを弾くことには、まだ慣れません。
というか、ステージが終わるころに慣れます。
シンガーソングライターのマユルカさんの真似っこをして最近購入した
ギタープリアンプ「PARA ACOURSTIC DI」の使い心地が上々で、
うちでも個人練習したスタジオでも気持ちよく弾けていたので、
今度こそ大丈夫かなと思ったのですが。

とくに「うたかた」。ほぼ開放弦のシンプルなアルペジオのイントロが、
ライブハウスだといつもうまく弾けない。
緊張すると右手が強張ったり震えたりするらしく、隣の弦を触ってしまったりして、
それがアンプで増幅されてギャ~~~!となる。
生だとそれほど気にならないんだけど。
いつか克服できる日が来るのでしょうか?来てほしいです。

ひとりでたくさん練習していて思ったのは、
ひとりでずっと同じ曲をやっていても音楽は少しずつ変わっていくんだなということ。
変わればその分だけまたその曲が好きになる。
私は、好きな曲は一日中でも歌っていられる。
もしもギターを弾く指が痛くならないなら。

恒例の合同曲、最後にオールスターズで演奏した「clock」は、
ほんとうに楽しくて、あと10回くらい繰り返して演りたかったです。
なかなか素敵な音楽が生まれたのではないかと思います。
the sleeping beautyのインスト曲に私が歌詞を付けた歌ヴァージョンの「clock」、
私はコーラスで参加しました。
コーラスってこれまであんまりやったことなかったけど、とてもおもしろかったので
機会があったらまたやってみたいです。

レ・ドゥ・リーニュの演奏、回を重ねるごとに音楽の輪郭がしっかりしてきて、
どんどん素敵になります。
この日は、二人とも集中していて、素晴らしかった。
PAの音も今まで聴いた中でたぶんいちばんよかったです。

賢くやさしく情緒が安定していて凛としてブレがないthe sleeping beautyの音楽。
いつ観ても聴いても、田村夫妻んちに遊びに行ったときと同じように、
なんか安心する、この人達が今のこの世にいてくれてよかったー、
という気持ちになります。

以下、私のステージのセットリストです。

猫横丁(with les deux lignes)
うたかた(with les deux lignes)
Une Chanson Douce(with イトウマキさん)
le papillon -ちょうちょう-
窓の外は雨
Melodia
Filled with you
Habanera(with イトウマキさん)
Paper snow

どうもありがとうございました。メルシーボクドラエモン。
クレイジーキャッツ、また来年梅の季節に出たいです!

2012年2月21日火曜日

まぼろし

フランソワ・オゾン監督の映画、近くのTSUTAYAでもけっこう置いてあるみたい。数日前には「スイミング・プール」を、昨日は「まぼろし」を観た。どちらも主演はシャーロット・ランプリング。

あの独特の容貌、独特の目つき、にもかかわらず、「まぼろし」で演じられる女性は「スイミング・プール」のときとはぜんぜん違う人のように見えた。すごいなあ。

主人公マリーが他の男とセックスしている最中に突然大声で笑いだすシーンで、つられて笑ってしまった。「だって軽いんだもの」と言いながら笑うのである。失踪した夫は大男だったのである。つまり、可笑しいだけでなく切なく哀しい場面なのだけれど、可笑しかった。観終わった後しばらくしてこのシーンを思い出してまた笑ってしまったくらいに。

後半、つらく悲しく重苦しく緊張感あふれる場面で、またマリーが高らかに笑いだすシーンがあるのだけれど、そのときもつられて笑いそうになった。

シャーロット・ランプリングの表情を観ていると、ヘビににらまれたカエルのような気持ちになる。他の出演映画もまだまだ観てみたいなあという気持ちになる。

熟年の美しい深みのある女優さんが深みのある演技をする映画が好きです。


2012年2月18日土曜日

ぼくはロックで大人になった

トガ母が送ってくれたNHKの番組「『ぼくはロックで大人になった』 ~忌野清志郎が描いた500枚の絵画」を観る。

録画してあるよ、という話はずいぶん前から聞いていて、楽しみにしていた。私はテレビ番組をDVDに焼いたことがないので知らなかったのだけれど、コードの入力とかいろいろたいへんなんですね。送ってもらったDVDが見れなくて何度か郵送のやりとりがあって、結局VHSヴィデオで送ってもらった。ヴィデオプレイヤー、捨てないでおいてよかった。

トガゼンといっしょに観たのでトガゼンの副音声解説付き。「この曲は○○というアルバムのA面に入っていて、ドラムは△△で・・・」。おおむねスイッチオフして、ときどきオンに戻して解説してもらいながら、鑑賞した。

清志郎さんが音楽評論家らしき人のインタビューに答えているときのしゃべり方が、アポスポット51(昔わたしが働いていたピアノパブ)のマスターのしゃべり方によく似ていた。多摩弁?国立北口弁?

少しの間バイトしていたロージナ茶房や、懐かしい邪宗門の70年代の写真が映った。ああ、国立。

清志郎さんが高校のときに書いたという自作曲の譜面が、すごくきっちりと丁寧に書かれているのが意外だった。いっしょに演る人はやりやすかっただろうと思う。

後半、Love Me Tenderが流れた。やりきれないような、えぐられるような気持ち。原子力は恐ろしい。はい、ほんとうにそうでした。なんとなく怖いとは思っていたけど、突き詰めなかった。響けなかった。清志郎さんはこんなにも発信していたんだな。高度経済成長期に。


RCサクセションの曲は、高校時代、Rちゃんが作ってくれたテープで聴いていた。なので、私の中でRCの音楽は高校生の頃の記憶や気持ち、Rちゃんと過ごした時間と共にある。

気弱な優等生だった私と違い、高校時代いろいろと破天荒だったRちゃんからは、今もときどき破天荒な近況が届く。最新のやつも、えーーーっ!あいかわらず激しいなあ~もう、というものであったのだが。作品ぶち楽しみにしとるからね。

トガゼンの一部はキヨシロウで出来ている。幾人かの友人、これまで出会ったミュージシャンやミュージシャンでない人の多くの一部も、キヨシロウで出来ている。私も含めて。そのことがわかるような気持ちになる番組だった。

2012年2月8日水曜日

Ricky

OLマリコさんが紹介していたフランソワ・オゾン監督の「しあわせの雨傘」を観てみてとても面白かったのだが、同じ監督の「Ricky」をTSUTAYAで見つけたので、借りて観た。すごく好きになった。

オープニングからずっと全体的に音楽が少ないのだが、ときどき、場面と合わないような意外なかんじの音楽が現れると、ドキンとした。むかーし、当時映画の学校に通っていた友人が、「映画が人に与える印象のうち、80パーセント(だったか70パーセントだったか・・・うろ覚えでスミマセン)は音楽が与える印象なんだって」と言っていたのを思い出した。

ウィキペディアとかで調べてみたら、まだ観ていないこの監督の映画が、たくさんある。うれしい。