2015年5月28日木曜日

ウッフコック号西へ 9th and 10th days

だいぶペースダウンしておりましたが、航海日誌完結編です。

13年ヴィンテージ軽自動車は、高速道路カーストのたぶん底辺(ごめん、ラパン)。
そのポジションでの音楽旅は、予想外の爽快感、高揚感、充実感を経験させてくれました。

それぞれの地の人々と良い時間が過ごせて、私にできること(とできないこと)がまた少しわかって、
音楽家として人としての自信にもなったように思います。

たくさんのものをもらいました。
音楽で、音楽以外のことで、これからちゃんとお返しができますように。

トガゼン、ラパンにあと5年は乗るそうです。

今年は免許取るぞ。




今回の旅のコジ船長いちばんの手柄はおそらくこれ。ドイツのFashyというメーカーのゴム製湯たんぽです。
座席にクッションの様に置くと、じんわりした温もりとほどよい弾力が腰痛を和らげてくれます。
痛くなってからも、痛くなる前の予防としても効きました。腰痛にお悩みの方にぜひお試し頂きたいです。



そしてもうひとつ、お世話になったのがこのCD。
バーデン・パウエルはウッフコック号のドライブの定番なのですが、何気なくピックアップしたこの1枚が、眠気覚ましとして強力に効いてくれました。
私たちが「おばさん」と呼んでいるこのCD(ごめんなさい!)。Janine de Waleyneという女性ヴォーカリストが参加していまして、豊かな声量のスケールの大きな歌唱が日本の山間の景色にぴったり!なのですが、この方、スキャットの言葉が独特なんです。
オウオウオウ、ブリャーンバーン、チキゴンゴーン・・・。
何度聞いても、横隔膜に直接響いて眠気が覚めるという仕組み。
カーステレオの調子が悪くてCDがかかったりかからなかったりだったのですが、なぜかこのCDだけ読み込んでくれて、また大爆笑、でした。



4月30日(日)曇ときどき晴れ

そらいろ堂ライブの後は山本ヤマさん宅に一泊させてもらいました。
翌朝、モーニングを食べに再びそらいろ堂へ。

ウッフコック=半熟卵と店主さんにお話しした翌朝に、このサービス。うふ。

半熟加減も絶妙です。ベーグルは焼きたて。

その後、小鹿焼きの集落へ連れて行ってもらいました。ヤマちゃんの運転で山道をドライブ。

この仕掛けで土が捏ねられます。
水の流れる涼し気な音とバッタン、バッタン、大きな低音が体に響きます。

最高傑作。登り窯にて。

お茶屋さんのごぼ天うどんは上品なお味。おいしかった!

夕方、ヤマちゃんたちとお別れして日田を発ち・・・

門司へ。
ボー、ボー。ウッフコック号、リアル出航。


これが目当てで液晶テレビが付いている特別二等洋室に宿泊しました。
飛行機のように現在航行位置を教えてくれます。
写真は翌朝、もうすぐ明石海峡を通過するところ。
明石海峡は朝風呂中に通過し、風呂の窓から明石海峡大橋を見上げました。


5月1日(月) 晴れ


朝ごはん



船を降りたら大阪。
網の目の高速道路に苦戦しましたが、無事に乗れました。

工事現場のクレーンに・・・鯉のぼり。大阪って・・


足柄サービスエリアの温泉で最後のエネルギーチャージをして・・

横浜のY。おつかれさまでした!


長々とお付き合いくださいましてありがとうございました。

次のライブは夏至の日6/22、3月に亡くなった、友人であり尊敬するシンガーソングライター持田裕子さんの追悼コンサートに出演します。


ありがとう、ラパン。

End


2015年5月22日金曜日

ウッフコック号西へ 8th day - 長崎「Bouncy Imports」 & 大分県日田「そらいろ堂」

4月29日(水、祝)曇り時々晴れ、のち豪雨

ライブ2本立てday。

お昼12時からのミニライブは港のすぐ近くにある雑貨屋さん、Bouncy Imports。

港があって、税関があって、美術館があって・・・横浜の日本大通りの辺りによく似ています。
オーナー小渕さんがニューヨークで直接買い付けてくるという雑貨たちは、元気になるカラフル、
そして旅心がぎゅっと詰まっています。

ライブは、お客さんとの距離とても近く、いっしょにお話ししながらという感じに演奏しました。

この日も来てくれました松田忠士さん。0958!

店主小渕さんもいっしょに


とりあえず・・

Bouncy Imports -長崎市-



そして次なる演奏場所、大分県日田へ。
山本ヤマさんのフェイスブック記事などを見て夢膨らませていた喫茶そらいろ堂。

高速を降りる頃にぽつぽつと大粒の雨が降り始め、あまりにも大粒なのでヒョウになるのか?とおびえつつ到着。
猛烈豪雨の中傘を差しながらの搬入。そして気が付けばそらいろ堂ごと嵐の中へ・・・

悪天候にもかかわらず、たくさんのお客様がいらしてくださいました。
お客様とも掛け声を掛け合いながら嵐の中を進む喜びがありました。

山本ヤマさんがいっしょに演奏してくれると、自分の重しが取れて軽くなり、浮き上がるような、風が吹くような感じになることがあります。
久米貴さんの難曲「ちぎり」なども、回を重ねるごとに3人が馴染んで、世界が深くなって、ヤマちゃんの描く絵にぐいぐい惹きこまれ始めたところで・・・タイムアウト。ツアー最後のライブが終わりました。


山本ヤマさんとパートナーのピアニスト高橋聡さんのデュオ「そらは金色」のフライヤー。
店内をじわっとあたためていました。
月1で行われていたそらいろ堂でのライブはしばらくお休みのようですが、
彼らのライブは九州各地で観ることができます。


スナップ2枚は高橋さん撮影。
落語家八十八サチヲとしての顔も持つ高橋さん。
この日共演の予定で楽しみにしていたのですが・・。み、見たい。

スペシャルメニューのウッフコックプレート。
すごーく美味しかったんです。秘密を知りたい。
中央のお肉は鹿肉。フキと筍はピクルス。ココットの中は筍入りフランです。


喫茶そらいろ堂 -大分県日田市-

2015年5月20日水曜日

ウッフコック号西へ 7th day - 長崎「Bag's Groove」

4月28日(火)曇りときどき晴れ

長崎。

夕方のリハまであちこち散策するつもりでしたが、港からほとんど離れられませんでした。
帆船祭りは素晴らしいお祭りですね。ますます長崎が好きになりました。

夜はBag's Groove。
シンガーソングライター松田忠士さんと美人二胡奏者富士子さんによるデュオ「クレイン」とのツーマン。
たくさんのお客様にご来場いただきました。
トガゼンの話に時々登場する同級生さんたちの本物に会えてうれしかった。

すごーく楽しみにしていた、松田くんとのデュエット「0958」。
Bossa 51の1枚目「Blue Songs」に収録されている松田氏の曲です。
甘酸っぱい80年代テイストのナンバー。隠れファン多し。
歌うのは15年ぶりくらい?でしたでしょうか。
竜二さんのパーカッションも加わって、幸せな時間でした。

ロシアの貴婦人、ナジェジュダ号。

一般公開のスケジュールにびしっと合って、乗船できました!(泣)





Bag's groove。場を大いに温めてくれた松田くんと富士子さん。

Photo by 竜二さん

長崎に来たときの楽しみ、つる茶んのトルコライス

地元っ子推薦の確かな味、康楽(かんろ)の皿うどん



2015年5月17日日曜日

ウッフコック号西へ 6th day

4月27日(月)晴れ

6日目は萩から長崎への移動日でした。

トガゼンにお願いして高速を使わず時間のかかる山陰ルートで。
寄りたかった場所がふたつほどあったので。

ひとつは、香月泰男美術館。
ツアーに発つ直前、近所のカフェに置いてあった昔の暮らしの手帳の特集で偶然見た「おもちゃ」に、
がしっと掴まれたのでした。

心はもう愛する長崎に飛んでいてそわそわしているトガゼンでしたが、
「あなたが離れられんやろう」の母の予言どおり・・・





愛らしいおもちゃ、そしてユーモアたっぷりわっくわっくさせてくれる動物の版画たちと対照的な、
どす暗い色調の「シベリア・シリーズ」。

私はいま、シベリヤで幾夜夢に見続けた、
自分の生まれ育った山口県の三隅町に住んでいる。
周囲の山の彼方に五つの方位がある。
ホロンバイル、シベリヤ、インパール、ガダルカナル、
そしてサンフランシスコ。
いまわしい戦争にまつわる地名に囲まれた山陰の小さな町。
ここが私の空であり、大地だ。
ここで死にたい。
ここの土になりたいと思う。
思い通りの家の、
思い通りの仕事場で絵を描くことができる。
それが私の地球である。
(「〈私の〉地球」(油彩、1968年)に付けられた香月泰男自筆の解説文)

初めて長距離をドライブして、日本の自然、特に山の美しさに驚き魅了されている私に、
すっと入ってくる言葉でした。

サービスエリアには各地の美味いものがあふれ、トイレはぴっかぴか。
水はいくらでもただで使えるどころか温泉まであって。

人に出会い、おもてなしを受けて、あたたかい言葉をもらって、感謝して、
こちらからも精一杯をお返しして、またもらって・・

そういう人間の営み、循環が麻痺して、おぞましい体験がなされたのが、
ほんの70年ほど前のことだなんて。

襟を正すためにも、この場所へ時々来たいと思いました。
たちまちにハッピーになれるおもちゃなどがいっしょにあるので、
間違いなくまた来ると思います。

シベリア収容所からこっそり持ち帰った豆から育ったという、サン・ジョアンの木

香月泰男美術館
http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/~kazukiyasuo/


そして、さらに日本海沿いに進み・・・
死ぬまでに行きたい!世界の絶景で教えてもらった場所。
橋の向こうが角島です。

沖縄のようですが日本海ですよ。


で、、、ついに長崎へ。


長崎では、帆船祭開催中でした。

4年前横浜の大桟橋で一目惚れしたナデジュダ号(長崎ではナジェジュダと表記されていました)と夢の再会です。

つづく。

2015年5月12日火曜日

ウッフコック号西へ 5th day - 山口県長門市「Country Kitchen」

4月26日(日)晴れ

長門市千畳敷カントリーキッチン。

到着したときはそれほどでもなかったのですが、
準備しているうちにどんどん風が強くなってきました。
譜面台が飛ばされるほどの強風。

懐かしい友達が忙しい中来てくれました。ほっぺたがゆるむ。
お客さんもちらほら集まって芝生に腰をおろし、ちょっと寒そうだけどくつろいだ様子。

ええいままよと風の中へ。

風と夕陽と対峙しつつ、目の前に広がる絶景に自分の出す音が吸い込まれていくのを感じていると、
ふっと体が軽くなるような浮遊感がありました。

空の中で演奏しているみたいでした。

お客さんも同じ浮遊感を楽しめてもらえていたらいいなと思います。

この日の演奏を、映像作家Atsushi Tanabeさんの素晴らしい映像で見ることができます。

↓クリックすると動画に飛べます。
https://vimeo.com/126055876


以下3枚、photos by Rumi Tanabeさん、です。 空色!






カントリーキッチン、絶景が楽しめるカフェの他、ふもとの雑貨屋さんもとても素敵です。
萩観光とセットでぜひ。
萩からだと車で1時間ちょっとです。



千畳敷カントリーキッチン
http://ckitchen.exblog.jp/

2015年5月10日日曜日

ウッフコック号西へ 4th day - 山口県萩市「カトリック萩教会」

4月25日(土) 晴れ

カトリック萩教会聖堂コンサートもお天気に恵まれました。

信徒のみなさんが、心のこもった素晴らしい準備をしてくださっていて、
感謝を通り越して、もう、申し訳ないような気持ち。




ああ、祭壇の上にトガゼンのおもちゃが置かれる日が来ようとは。

ご聖体(ホスチア、普段は写真の私の頭の後ろあたりに納められている)は、コンサートのため、
神父様が別の場所に移しておられたそうです。後で知りほっとしました。

やはり場所の音響がとても良いので集中力が高まり、3人のコミュニケーションもうまくいった気がします。
後ろの方ではどんな風に聴こえたのかな。気になります。

讃美歌2曲では、お客さんにいっしょに歌ってもらいました。
聖堂の中では、人々の歌声が合わさると、ひとつの光の帯のように響くのですが、
それに私たち3人が沿う、伴奏する、というようなことをやってみたかったのでした。
ステージ上から、光の帯を感じることはできたように思います。

セットリスト:
貝のふた/Le papillon -ちょうちょう-/みしなる/Kirie(グレゴリオ聖歌)/夢で食べましょう(うどんの歌)/シャボン
-フィリピンの方達によるタガログ語の歌-
Doop-Doo-De-Doop (A Doodlin' Song)/Blue Song/ちぎり/フルーツフルーツフルーツ/みははマリア/Il pleut sur la grenuille-カエルの上に雨が降る
おまけ
2匹のクジラ

讃美歌「みははマリア」はハチロク、リズム&ブルース風。ヤマちゃんのオブリにうっとりしました。新鮮。
Kirieのラッパのイントロの音も、心揺さぶられました。

「カエルの上に雨が降る」では、トガゼンの口琴の音がフィリピンの子供たちに大ウケ。
ビヨ~ンが出てくるたび、ヒーヒーと苦しそうでした。

「みしなる」では長いMCをしました。
歌詞の中に隠れている「蟻の町のマリア」北原怜子さんは、フィリピン被災地を支援しているメルセス会、
私の幼稚園から高校までの母校と深いつながりのある人物です。
この曲を歌ってみたいなと思ってしばらくしてからそれを知り、驚いたのでしたが。

なぜ蟻の町のマリアをモチーフにされたのか、作詞者ひろたえみさんに聞いてみたのですが、
「それはまた今度」とにっこり微笑まれて、そのままになっています。
また今度、聞いてみたいと思います。

たくさんの方々にご来場いただき、9万円以上のチャリティ金を贈ることができました。
ありがとうございました。


フィリピンの信徒さんたちの明るく力強い歌声

中学1年から高校を卒業するまでオルガニストとしてお世話になったエレクトーン。
まだまだお元気でうれしい。

真剣にうどんを食べる人達。
本番前に急いで腹ごしらえ。どんどん土原店にて。


午前中散歩した菊が浜。
後ろが萩城跡のある指月公園と指月山です。

バリー・ハリスをはじめ、ジャズの巨匠の数々がライブをやっている
ジャズ喫茶Villageにて。普段はご近所のファミリーもなごむ場所です。

萩の代表的観光スポット、鍵曲(かいまがり)
ん?KM・・では・・?

夜は幼馴染とくさんがご主人と営むお店、やきにく食堂KOUにて、打ち上げ&クラス会。
25年ぶり、30年ぶりの同級生といっしょに飲めて感無量。絶品しめ鯖も無事食べられました。

つづく。


カトリック萩教会


「みしなる」ト画伯イラスト動画
https://youtu.be/73V483hk0l0